「海島綿」は、一般の綿の1.5倍もの繊維長を持つ超長綿です。
シルクのような光沢があり、
肌に吸いつくようになめらかな、最高級コットンです。
このたび、西印度諸島海島綿協会様からのご依頼で、
その「海島綿」の最高級品種「V-135」のパンフレット制作に携わらせていただきました。
「海島綿」の歴史
「海島綿」の栽培は16世紀後半、カリブ海西インド諸島で広がりました。
年平均気温26〜28℃で昼夜の温度差が少なく、
年間総雨量1,100〜1,200mm、年間総日照時間3,000時間以上、
また綿木の発芽成長期は雨期、開花時は乾期という気象サイクルは、
綿花栽培の最適地とまで評されたそうです。
18世紀には、英国に輸入される原綿の2/3が英領西インド諸島からのものとなり、
英国王室には「綿製品は海島綿を」というしきたりが生まれたそうです。
当時、アメリカ産綿の400倍もの高値で取引されていたという逸話も残っているようです。
海島綿の中でも“伝説のコットン”と呼ばれる「V-135」
すぐれた品質の「海島綿」の中でも、
“伝説のコットン”と呼ばれるのが「V-135」種です。
ところが、
「V-135」はその品質ゆえに栽培も非常に難しく、
約50年前に生産が途絶えてしまいます。
しかし、その種子は密かに受け継がれ、
「夢を再び」と情熱を傾けた西印度諸島海島綿協会によって
このほど、半世紀ぶりに復活を果たしました。
世界最高級 “究極の肌ざわり”
繊維長が長いと、糸をつくるときの“撚り”が少なくてすみます。
そのため、糸の柔軟性が高く、表面が艷やかで、なめらかで、
耐久性も高いという特徴を持ちます。
そもそも「海島綿」は、繊維そのものの反射率も高いため、
まるでシルクのような光沢を放つことも大きな特徴です。
繊維の中空部を取り巻くセルロース質が肉厚で、
水分の吸収性にもすぐれており、日本の気候にも適しているとのこと。
昨年あたりから、ファッション業界ではさまざまな高級コットンを使った
製品が登場していますが、
それらとは一線を画す、世界最高級コットン「V-135」。
シャツ1着でもいいから、着てみたいものです。
なお、V-135製品は今後、さまざまアパレルメーカーさんから
製造販売されることと思われます。
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